一周忌
高校時代の友人の一周忌に行って来ました。大腸がんと診断されて二年あまり、数々の手術と抗がん剤の治療を受けながら春秋の旅行には元気に参加していました。悲壮感も気負いもなくガンと共に普通に暮らして行くという風でした。次の日の朝、朝食をとる部屋の前に黒いハチが自分の倍はありそうな緑のバッタを抱えて羽をバタバタさせて巣に持ち帰ろうとしていました。飛び上がっては落ち、飛び上がっては落ちしながら二メートル三メートルと進んでいきます。語り足りなかった友人が私の人生はこんなだったのよと語りに来たように思いました。そうだったのね、頑張ったねと言って上げたい。