まろやかに
まろやかに千と千尋の晦日の湯
近くのふなやホテルに泊まり、歩いて五分ほどの道後温泉本館に行く。
明治27年創業という本館の湯はまったりとまろやかで冬場の乾燥肌もしっとり
と潤っていくように思う。
坂の上の雲の正岡子規や秋山兄弟の家もすぐ近くにあった。母方の祖父
が本業は街医者だったのだが、阪大時代の医者仲間と俳句を詠んだ。
ホトトギス派で子規を崇拝していたと言う話から祖父の句集をコピーして
友人に習った四つ目綴じと包装紙で装丁した。
私はといえば、同窓会で最後に詠む恒例の句会が苦手で、あれさえ
なければ思う。写真よりも言葉で光景を詠み込むという、3次元と4次元
の間という世界に憧れと畏れが入り混じった思いで半歩引いている。
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