終戦記念日

  母の新しいミシンの試し縫いに、古い浴衣をワンピースに

仕立て直した。 母の結婚は終戦1年目、その一年後に

私が生まれた。 浴衣を解きながら、ミシンをかけながら

玉音放送が良く聞き取れなかった事、何よりも灯火管制

が辛くて戦後の解放感がうれしかった事等を語る。

 百田尚樹の「永遠のゼロ」を読んでる最中だったので、頭は

戦中、戦後の時代にワープしていた。

 父も戦争には行かなかったが学徒動員の行進をした一人だった。

 この浴衣は母が嫁入りの時に持参したものだが、生地も

傷んでいなくて糸もまだ使える位にしっかりしていた。洗濯機

も炊飯器も掃除機も無い時代だから浴衣を着てゆっくり夕涼み

をする暇などなかったのだろう。

 残り少ない夏のうちにこの牡丹の花のワンピースを何度

着られるだろうか?

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