無花果

無花果
子供の頃、近所のおばさんの所にお使いに行くといつも何かおやつを貰った。それはカステラだったり、珍しい中国のお菓子だったりしたのだけど、この季節は庭に生っていた無花果だった。もぎたての無花果は木にくっついてた部分から白い液体が垂れて、間違って口に入ると無花果の味が台無しに成るほどにがかった。都会に住む子供達は無花果の逞しい八手のような葉も苦い白い液体のことも知らずにいるんだ。深い緑の逞しい葉に守られ、所々にこのバーガンディレッドの電球型の実が潜んでいる様はなんとなくホッとする光景だ。

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